前提:どちらも「LLM+ツール実行ループ(エージェントループ)」という点では確かに似た構造です。 違いは モデルの賢さ ではなく、製品としての設計思想・実行環境・権限モデル にあります。


1. まず会社と製品の相関図

図 1

同じ会社の中で「チャットUI」と「エージェントCLI」が枝分かれしている構造は両社共通。 ここまでは対称的です。


2. 「モデル」と「製品(ハーネス)」は別レイヤー

エージェントツールの実力は「モデルの賢さ」×「そのモデルを動かす仕組み(ハーネス)」の掛け算です。

図 2

つまり「モデルの中身」の比較だけでは製品の違いは説明できません。 実際に差が出るのは ハーネス(どう使わせるか)サンドボックス方式(どう安全を担保するか) です。


3. 動き方の違い:対話型 vs 非同期クラウド型

図 3
  • Claude Code:人間の隣に座る「対話型シニアエンジニア」寄り。ローカルでプロジェクト全体を把握し、判断理由を説明しながら進む設計。
  • Codex:仕事を渡しておける「非同期クラウドワーカー」寄り。カーネルレベルのサンドボックス(macOSはSeatbelt、LinuxはLandlock)で隔離しつつ、複数タスクを並行で回せる。CLI自体はRust製・Apache-2.0でOSS公開されている。

4. 権限・設定思想の違い

図 4
  • Claude Code:アプリケーション層のフックで「これはやっていい/ダメ」を判断
  • Codex:OSカーネルレベルの隔離で、そもそも危険な操作ができない箱に閉じ込める

これは思想の違いであり、優劣ではありません。「対話しながら細かく制御したい」か「箱ごと隔離して安全に丸投げしたい」かの違いです。


5. 実務での役割分担(併用勢の典型パターン)

図 5

典型的な併用フローは「Claude Codeで設計・実装 → Codexで並列に反復修正やCI組み込み」という順番で、2026年のX/note界隈で広まっている併用パターンです。


6. まとめ

観点 Claude Code Codex
運営元 Anthropic OpenAI
課金 claude.aiとは別契約 ChatGPTプランに同梱(追加費用なしで使える)
実行スタイル 対話しながらローカルで伴走 クラウドサンドボックスで非同期・並列実行
安全機構 アプリ層のフック OSカーネルレベルの隔離(Seatbelt/Landlock)
設定形式 CLAUDE.md(JSON寄り) AGENTS.md(TOML/オープン標準)
得意分野 設計・計画・説明力・大規模コードベース把握 反復作業の高速処理・CI/CD・並列タスク

結論:裏のモデルが似ているように見えても、「どう動かすか(ハーネス)」と「どう隔離するか(サンドボックス)」の設計思想が根本的に違うため、体感も適した用途もはっきり分かれます。

体感差の正体は「モデル自体の賢さの差」ではなく「動かし方の思想の違い」だと考えると理解しやすいです。

  • Claude Code = 対話しながらローカルで伴走する設計(アプリ層のフックで制御)
  • Codex = クラウドのサンドボックスVMに投げて非同期・並列で回す設計(カーネルレベルの隔離=Seatbelt/Landlockで制御)

同じ「LLM+ツール実行ループ」でも、この二つの前提が違うだけで、向いているタスクも、使っていて感じる性格も、はっきり分かれます。