Claude API(Anthropic SDK)向けのコードを書く際に使うビルトインスキル
claude-apiは、 全ドキュメントを一括で読み込むのではなく「プログレッシブディスクロージャー(段階的開示)」という 設計によってコンテキスト消費を抑えている。本記事ではその仕組みを図解する。
1. claude-apiスキルとは何か
claude-apiは、Claude Codeに標準で同梱されているビルトインスキルのひとつで、
Claude API(Anthropic SDK)を使ったコードを書く、または直すときに、Claude Codeが
参照する最新仕様のリファレンス集である。
対象は、単発リクエストやストリーミング、Tool Use、バッチ処理などを扱う「Messages API」と、
サーバー側で状態を持つエージェントを動かす「Claude Managed Agents(ベータ)」の二つの
サーフェスで、Python、TypeScript、C#、Go、Java、PHP、Ruby、cURLの8言語に対応している。
/doctorや/code-reviewなどと同じく/claude-apiと入力して呼び出すこともできるし、
文脈から関連すると判断された場合はClaudeが自動的に発火させることもある。
使い方
Claude Codeのセッション内で、たとえば以下のように呼び出す。
/claude-api
「このコードをClaude Opus 5対応に移行して」
「Tool Useでファイル検索させたい」
明示的にコマンドを打たなくても、コード内でanthropicや@anthropic-ai/sdkを
インポートしている場合や、Claude API関連の機能(プロンプトキャッシュ、Tool Use、
バッチ処理など)に触れる変更を依頼した場合は、Claudeが自動的にこのスキルを発火させる。
利用者が意識しなくても、最新のSDK仕様に沿ったコードが生成される。
どういう場面で使うか
依頼内容によって、参照するリファレンスの組み合わせが変わる。判断の流れは以下のとおりである。
中身は単一の巨大なドキュメントではなく、対応言語(8言語)とサーフェス(Messages API / Managed Agents)ごとに分かれたリファレンス群で構成されている。具体的には、言語別のSDK ドキュメント、Tool Use、ストリーミング、バッチ処理、プロンプトキャッシュ、モデル移行、 モデルIDと料金、Managed Agentsのオンボーディングといったトピックが含まれる。
2. モデル移行での使われ方
claude-apiスキルの機能のうち、実装として踏み込んだ内容を持つのがモデル移行支援である。
/claude-api migrateというサブコマンドから直接呼び出すこともできる。
/claude-api migrate this project to claude-opus-5
移行先や対象範囲をあらかじめ指定することもできる。
/claude-api migrate everything under src/ to claude-opus-5
/claude-api migrate apps/api.py and apps/worker.py to claude-opus-5
対象範囲が曖昧な場合(/claude-api migrate to claude-opus-5のように書かれた場合)は、
作業ディレクトリ全体、特定のサブディレクトリ、明示的なファイル一覧のいずれで進めるかを、
ファイルを編集する前にユーザーへ確認する。
移行時にスキルが扱う変更は多岐にわたる。
編集の完了後には、統合テストの再実行、文章の長さを制御するプロンプトの調整、 コストとレート制限の再計算など、人による確認が必要な項目の一覧が示される。
3. Managed Agentsの立ち上げ支援
もう一つの実装的な機能が、Managed Agentsのオンボーディングである。
/claude-api managed-agents-onboardというサブコマンドから呼び出す。
/claude-api managed-agents-onboard
このコマンドを実行すると、対話形式でエージェントの設計方針を確認しながら、
Agent(設定を一度だけ作成するもの)とSession(実行のたびに作るもの)という
Managed Agentsの基本的な考え方に沿って、環境やツールの設定、セッションループの
実装コードまでを利用言語に合わせて生成する。model、system、toolsは
Agent側に置き、Session側には持たせないという役割分担も、この対話の中で反映される。
4. まとめ
claude-apiスキルの本質は、Claude API向けの膨大なリファレンス情報を全部読み込むのではなく、
YAMLの説明文だけを常時ロードしておき、依頼内容に応じて必要な言語、サーフェス、トピックの
ドキュメントだけをそのつど取得する、という段階的な情報開示の設計にある。
この設計により、開発者は個々のドキュメントページを探し回ることなく、モデル移行や Managed Agentsの立ち上げのような込み入った作業でも、Claude Codeの中で一貫した形で 進めることができる。スキル自体はオープンソースで公開されており、Claude Code以外の、 Agent Skillsに対応した環境にも組み込めるようになっている。